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にわかマリーンズファンの長いつぶやき。

まだアジアシリーズがあるので、終わったわけじゃないんですが。
ひとまず日本シリーズが終わった今、ぼそぼそとつぶやいてみる。




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「虎ファン」になった理由はいまだによくわからない私ですが、
「マリーンズファン」になったのには理由がありました。

ロッテオリオンズ、ロッテマリーンズというチームは、
高沢選手を知って以来、いつも‘2番目に好きなチーム’でした。
だからといって、‘ファン’というほどではなく、
スタメンにいるような選手はわかるし、好きな選手もいたけど、
ひとつひとつの試合に熱心になっていたわけではありません。

何かにつけ地味なたたずまい、でもたまにやらかすとんでもなさ、
流しそうめんのテレビじゃ見れない川崎球場、
あの壮絶ともいえる10.19、千葉への本拠地移転、
ボビー監督のもとの快進撃、しかし1年での監督解任、
18連敗と黒木さんの記憶、ライトスタンドの応援、初芝さん・・
そんな一般的なイメージでとらえていたチームでした。

昨季後半、プロ野球は球界再編とかいう大きな波に見舞われ、
今年の9月、多くのブログさまでも挙げられていたように、
特に9月の1ヶ月間は多くの悲しい記憶を生み出しました。

その中で自分にとって何よりも忘れられないのは‘9月15日’
千葉マリン最終戦、対近鉄バファローズの試合でした。
毎日、再編ニュースに悲しんだり怒ったりしていた私ですが、
この試合、スタンドのマリーンズファンが叫んでいた
「来年も近鉄とやるぞー!」
合併の一歩手前でとりあえずなんとか助かった、
でもこの先はどうなるかわからない、そんなチームのファンから、
もう助けることはできないかもしれないチームのファンへの、
その一言に、初めてぼろぼろと涙がこぼれました。

この試合の数日後には、古田選手会長の涙と球界初のストライキ、
そして球団合併はどうしても撤回不可能なものとなりました。
その中で0.5差でプレーオフ出場ならなかったマリーンズ。
新庄さんのいるファイターズの3位は嬉しかったけれど、
来年こそはマリーンズがんばれよ、と心から思いました。
そして「周りの人たちに背中を押されて」合併しようとしていた
マリーンズの経営の方々に、ふざけんなよ、と。

もう二度と、どのチームも合併なんて形で消え去ってほしくないし、
そのために自分にできることなんてなんかあるんだろうか、
少しでも‘見えるファン’になることくらいしかないのかとか、
ぐちゃぐちゃと考えていたのでした。

そして‘松坂世代最後の大物’久保投手の入団決定。
遠回りをしたと言われるこの投手に共感を覚えていたこともあり、
来年はロッテマリーンズをばりばり応援キャンペーン!
ってなモードになっていきました。


シーズンの始まる前、昨年のことを思い返した記事
「もっとプロ野球に参加したい」と書いた私ですが、
てっとり早いとこでの球場観戦ということでいえば、
オープン戦含めて19試合。そのほとんどがマリーンズの試合でした。
少ないといえば少ない数字だし、もっとがんばって行けたかも、
という気持ちも正直あります。

しかし、今年のマリーンズがファンを「26番目の選手」と呼び、
営業的なこともあっただろうけど、それでも、
こんなふうに高らかに「ファンと共に」を掲げ、
本当にファンを参加している気持ちにさせてくれたことは
非常に嬉しいことでした。
自分はライトスタンドに足を踏み入れることはありませんでしたが、
同じ球場にいるだけで本当にわくわくさせてもらいました。
にわかファンの自分が、
黒木さんの復帰登板の日も初芝さんの引退セレモニーの日も
スタジアムでみんなと共にコールや拍手を送らせていただきました。
こんな体験をさせてもらっていいのだろうかと思うくらい。

が、目の前で試合をやっているチームをみれば、
合併してできたチームあり
合併に伴ってできたチームあり
合併の危機を乗り越えて身売りしたチームあり
身売りがささやかれ続けるチームあり
遠い地に本拠地移転したチームあり
どのチームも、どれだけの傷を抱えていることか。
それぞれの逆境をどれだけ力にかえて戦っていることか。

昨年まで感じたことのないそんな気持ちとともに、
自分の中の「心にちくちくと残るもの」も「ごめんなさい」も
どうやっても消えるものではないのだと、
球場に行くたびに私は思い知らされていました。
今年のマリーンズの快進撃を喜びながら、
こうやって喜べるのは、マリーンズファンになったのは、
あの‘9月15日’があったからなのだと。それはすなわち、
近鉄とブルーウェーブという犠牲があったからなのだと、
そんなふうに思えてしまってしかたないこともありました。

でも、だからこそ、好きな野球を観て好きなチームを応援して
逆境をはねかえす力に、少しでも、ほんの少しでもなりたい。
・・・そんな気持ちもむくむくとわいてきたのです。
こんな大好きなのに、心をこめて応援しないでどーするんだよ。
考えてもしかたのないことぐちゃぐちゃ言ってる暇があったら
野球を観ようぜ、野球をよ。(そんな感じのタイトルの漫画があったな)

傷だらけのプロ野球で、マリーンズを応援しようと思ったのは、
元々‘2番目に好きなチーム’だったから、が大きかったのは確かです。
もしかすると、私が今年一生懸命応援していたのは、
ホークス、ライオンズ、イーグルス、ファイターズ、オリックス、
あるいはカープやベイスターズ、スワローズ、である可能性もありました。
そんな中、たまたま2番目に好きだったからと応援したマリーンズは、
ついにプレーオフを制して‘優勝’まで成し遂げました。

プレーオフを通してマリーンズがくれたものは、驚くべき感動でした。
強さをもって勝ちを得て、また勝つことで強さを得ていたマリーンズ。
まるで甲子園に初出場して一戦一戦成長していく高校野球チームをみるような。
それは「プロ」というにはあまりにも初々しい、しかし、
息をのむほどに私の好きな「野球」を体現していた姿。
そして、甲子園と違うのは、負けても次があったということ。
あの4-0 からの同点、そしてサヨナラ負けを経て、
このチームは‘優勝’を本当に自分たちのものにできたのだと思います。

わりきれない気持ちはありました。
シーズン1位・ペナント優勝のホークス。
シーズン2位・4.5ゲーム差のマリーンズ。
心のどこかで、虎ファンとしての自分がささやく、
「城島さんがいれば、きっとホークスが勝つのに。」

だけれど、そんな葛藤を振り払ったとき、
何年もファンをやってきた人のように
マリーンズについて語るべき歴史を持たない私は、
ぼろぼろと泣きながらマリーンズを応援するだけでした。
なんだこれは。自分はなにをこんなに泣いているんだろう。
そう訝しく思いながらも、ぼんやりとわかっていました。
昨年からのたくさんの出来事への悲しみが。
それでもやっぱり好きだと言った野球への思いが。
画面の中の必死な選手たちへの愛しさが。
ただひたすらに涙にかわっていっているのだと。

そして、気がつきました。
私にとって、今シーズンのマリーンズは、
大好きで守りたい「野球」のすべてを背負っていたのだと。
そんなもん勝手に背負わされたマリーンズには申し訳ないけど。

でも、そんな思いを知ってか知らずか、マリーンズは、
本当に、最高のタイミングで、最高のプレーをみせてくれました。

日本シリーズでの、あのたくましさ、輝きといったら。
勢いだけじゃない。
魔法なんかじゃない。
日程がどーとかだけじゃ語れない。
あなたたちは、どこまで私に幸せな気持ちをくれるんだ?

日本シリーズ最終戦の夜に行われた共同記者会見をみていました。
小林雅英投手がしつこいくらいに語った、アジアシリーズへの抱負。
「負けたらここまで自分たちがやってきたことの意味がない」
日本一という頂点に立ったとき、自分たちが背負っているもの
-それは、対戦してきたチームであり、日本のプロ野球であり-
・・その重みを感じながら次の戦いへむかおうとする姿に、
自分が今シーズン、このチームに勝手に背負わせた思いが重なりました。

このマリーンズというチームへ、
私は今、ただただ「ありがとう」の気持ちでいっぱいです。
そして、アジアシリーズでも、ぜひ、素晴らしい戦いをみせてきてください。
そしてそして、これからも応援させてね。
そう思うばかりです。

もひとつ、とても嬉しかったこと。
プレーオフを制したときに、日本シリーズを制したときに、
周りの人たちから送られた「おめでとう」の言葉。
実は、周囲にマリーンズファンの人っていないから、
「おめでとう」と言ってくれるのは当然他球団のファンの人たちで。
その中には、鷹な人や虎な人も何人もいたわけで。
このブログでも、鷹ファン・虎ファンの方からも
「おめでとう」のコメントやトラックバックをいただいて。
それぞれの人にいろんな思いがあって、
特に鷹・虎な方は悔しさや悲しさや愛するチームへの思いやら、
ぎゅうぎゅうに詰まった思いがあったはずです。
それでも「おめでとう」という言葉をかけていただいたこと、
私は、それがとてもとても嬉しかったです。
あー、やっぱ、みんな野球が好きな人たちなんだなぁ。
これも、ただただ「ありがとう」で胸がいっぱいになりました。
そして、マリーンズは、そんな人々の思いをも
背負うチームになったのだなぁ、と。

長く、短く、いろんなことがあり、たくさんの幸せをもらった
シーズンが終わって、来年にむけて動き出している今、思うこと。

いちばん幸せなのは、「また来年がんばろうや」と言えること。

どのチームのファンからもこの幸せが奪われることのないように。
終盤から騒動がもちあがっている今、再び願ってやみません。
今年1年の野球に感謝をしつつ、
「来年がある」ということの幸せをかみしめることから、
私の来シーズンへむけての新たな日々が始まります。
来年も、素晴らしい野球を--



by namit100 | 2005-10-28 22:52 | 野球におもう

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